News

AIソクラテス展

本実験は、大規模言語モデル(LLM)を活用した西洋古典特化型AI対話システム「ヒューマニテクスト」の技術を活用し、人々が自分自身を知り、価値観の再構成をする上で通信やAI技術がどのように役立ち、貢献できるかを探求する実験イベントとして開催しました。様々なマスメディアを中心に注目を集めた本実験のレポートを以下にまとめます。

実験概要

2025年6月28日(土)から7月21日(月祝)の土日祝、合計9日間の対話体験と、展示を開催。参加者はAI技術によって現代の渋谷に舞い降りた哲学者ソクラテスと音声で対話し、自らの悩みや気になっていることをきっかけに、自身の価値観を見つめ直したり、哲学的気づきを得られる哲学問答を体験。そして、話題に即したオリジナルのカクテルカードをその場で生成・印刷し持ち帰りました。

実験結果

全体

11日間のイベント期間で、374名の方がAIソクラテスとの対話を体験しました。アンケート回答者は314名(回答率84.0%)。そのうち男性は129名、女性は179名、その他・未回答が10名でした。年齢は10歳〜80歳(平均32.8歳)でした。20代・30代では女性が多く、40代・50代ではやや男性が目立つ傾向も見てとれます。

アンケート結果

満足度
満足・とても満足が 301件(約96%)を占めており、非常に高い満足度が示されています。

AIソクラテスにどんなことを相談しましたか
「仕事」「人間らしさ」「子育て」「やりがい」「時間」「新しい挑戦」「日常の悩み」などが目立ち、人生や日常にまつわる抽象的・哲学的なテーマが多く含まれていることが分かります。また特に「仕事・キャリア」と「恋愛・結婚」では女性の割合が多い傾向でした。一方で、男性は「AI・テクノロジー」や「自己探求」といった抽象的・内省的テーマを多く挙げる傾向が見られました。

VOICE

人生・自己探求

・人によって自分の性格やたちふるまいを変えてしまう(27歳, 男性)
・子育ての悩み 3兄弟がよく喧嘩することについて(41歳, 女性)

仕事・キャリア

・趣味を仕事にするのは良くない と聞いたけどどう思う?(23歳, 女性)
・仕事で自分からクオリティのハードルを上げてしまう話(44歳, 女性)
・職場の先輩のモラハラについて(38歳, 女性)

恋愛・結婚

・結婚したいが相手の人生を背負うのが重い(56歳, 男性)
・「友情」と「恋愛」で自分は「恋愛」を優先したいんだけど、どうすればいい?(12歳, 女性)
・3ヶ月付き合っている彼氏の名前をまだ呼べたことがなくて困っている(25歳, 女性)

AI・テクノロジー

・ゲームに依存する子どもとAI相談について(38歳, 男性)
・AIの自我(19歳、男性)

社会・政治

・束縛とか嫌すぎて社会に向いてない。ふつうとはなにか?(15歳, 女性)
・研究の個人志向と社会に還元することの両立(32歳, 女性)

その他

・普段、ぞんざいにしてしまっている家族との会話について(32歳, 女性)
・初対面の人との会話は得意だけど、二回目以降の会話が苦手(26歳, 女性)
・「どっちでもいい」とか「かわいそう」とかは他人事と言われるのが嫌だ(12歳, 女性)
・ペットをかいたいが、かんきょうてきにかうことができない(10歳、女性)

AIソクラテスへの相談は、解決や気付きに繋がったと思いますか?
「そう思う」「少し思う」を合わせると244件となり、77%がポジティブな実感を持っていたことが分かります。

AIへ相談する体験は、人に相談するのとどう異なるか。
体験者に『AIへの相談は、人に相談することと比べてどんな違いがありますか?(複数回答可)』のアンケートをとりました。「話しやすい」「深い話ができる」がトップで、AI特有の“気軽さ”と“深い内省”が評価されているといえます。

VOICE

安心して話せる・自由に話せる

・友人ではないけど、必ず受容してくれるとわかっているのですごく安心できました(39歳, 男性)
・答えが得られる安心感がある。情報の海から自分にない知識を得られるかもしれないという期待がある(27歳, 女性)
・相手がAIと分かっているからこそどんなことでも話せる安心感がある(35歳, 男性)

客観的・フラットな視点

・客観的に伝えられ話しやすい(34歳, 女性)
・偏見なしで話せて楽しいです。(57歳, 男性)

新たな気づき・学び

・自分の考えの整理にもなるし新たな気づきにもなるから(32歳, 女性)
・話していて自分の中で気づきがあった(55歳, 女性)

気を遣わなくていい・否定されない

・遠慮をしないで済む。相手の気持ち、考えを常に探るということをしないで済む。(57歳, 女性)
・相手が不快にならないかとかネガティブなことをよく考えてしまう癖があるので、AIだと少し気楽に相談できる気がします。(25歳, 女性)

深い話・抽象的な対話ができる

・データ(哲学者)をベースに会話でき、仙人と話している気分になれた。(35歳, 女性)
・本質的な問いを投げてくれるので根本的なところに立ち帰れた(28歳, 女性)

コラボレーターの声

「ソクラテスをAIに、しかもバーテンダーとして渋谷に登場させる」という今回の企画は、私たちヒューマニテクスト開発チームにとっても新鮮で刺激的な挑戦でした。ソクラテスは、市井の人々や著名人に問いを投げかけ、時には困惑させたり、楽しませたりしながら、自然と哲学的な対話へと誘う名人でした。その知的好奇心やユーモア、皮肉っぽさ、そして哲学的な深みを、バーという偶然の出会いの場での短い会話にどう反映させるのか。プロジェクトに関わった全員で何度も議論を重ねながら、ひとつの形にしていきました。会場では、小学生からご年配まで本当に幅広い参加者がAIソクラテスに「楽しかった」「ありがとう」と声をかけているのを目にしました。そう、哲学は楽しいし、思わず感謝を述べたくなるものなのです!

ヒューマニテクスト(Humanitext)
桜美林大学 田中一孝准教授

まとめ

9日間にわたって開催された「AIソクラテス展」。会場では、哲学者風のAIとの1対1の対話体験を通じて、来場者が自分自身の悩みや関心事を語り、それにAIが問いかけを返すという実験的な対話が行われました。
アンケートでは「AIに相談して何かが解決した・気づきがあった」と感じた人は137名(全体の約62%)にのぼりました。とりわけ注目されたのが「AIへの相談は、人に相談することと比べてどんな違いがあるか」という問い。
「秘密や本音を話せる」「深い対話ができる」「気を遣わず話せる」など対人ではなく、AIソクラテスに対する悩み相談だからこその特性を感じていることがわかりました。
一方で「文字のAIで話せるのも面白いが、やはり対面で話せると納得感があった。」と声があったように、参加者は「AIと話す」ことに対して単なる情報検索ではなく、“問いかけられること”から、考えを深めたりできるという点に価値を見出していました。これは、ChatGPTなどの生成AIとは一線を画す、インタラクティブな対話体験として機能していたといえるのではないでしょうか。

本実験をとおして、人と話すときに感じる“恥ずかしさ”や“緊張”、“空気”といったものが取り払われたとき、私たちはどれだけ本音で語れるのか?そして、問いかけられることそのものが、どれだけ思考の可能性を拓くのか?
AIソクラテスは、その問いに対する一つのヒントを示しました。

未来のコミュニケーションは、AIが“代替”するのではなく、人間の感情や思考を引き出す“触媒”となる可能性を秘めているのかもしれません。

メディア掲載実績

●テレビ
フジテレビ『Live News α』(2025/6/27)
NHK『あさイチ』(2025/7/3)

●ラジオ
TBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』(2025/7/13)
J-WAVE『TOKYO MORNING RADIO』(2025/8/13)

●新聞
日経MJ『聞いてよAIソクラテス』(2025/7/16)

●Webメディア
シブヤ経済新聞『渋谷で「AIソクラテス」による悩み相談イベント 対話で哲学的気づきを』(2025/6/25)

Back To List

Access

  • 施設名:マイラボ渋谷
〒150-0042
東京都渋⾕区宇⽥川町21-9
渋⾕平和クワトロビル mineo渋谷1F
  • 各線渋⾕駅より徒歩2分
  • 営業時間/10:00〜20:00(不定休)
    ※開催イベントにより変動あり
  • 料金/イベントによって変動あり

Contact

イベントの内容・取材などのお問い合わせ