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株式会社無駄渋谷支展

本実験のテーマは、コラボレータの藤原氏の「効率化や生産性が価値とされる社会は本当に正しいのだろうか。」という疑問から生まれました。本イベント会場のモチーフとした『オフィス』は、本来無駄を削り生産性を高める場所。そのギャップにより「無駄な時間を過ごしている」という意識をより強く抱いてもらうことを狙いました。さて、この実験で参加者は何を感じたのでしょうか。「無駄な時間にはもしかしたら意味があるのではないか」はたまた「いや、無駄なものは無駄のままでいいのではないか」。
忙しい現代社会における「無駄な時間」の価値や意味を改めて見つめ直す実験のレポートを以下にまとめます。

実験概要

2022年8月8日(月)から9月11日(日)のうち34日間イベントを開催しました。藤原麻里菜氏の「無駄づくり」から6作品を展示し、参加者に体験していただきました。なお、参加者には来場時・退場時の2回タイムカードに打刻してもらい、本会場で過ごした「無駄な時間」がわかるようにしました。

■ 展示した「お仕事タスク」
1:札束でビンタされてやる気を出す
2:「イヤホンケーブルを絡ませるマシーン」でイヤホンを絡ませて、またほどく
3:「オンラインミーティング緊急脱出マシーン」でミーティングから抜け出す
4:「謝罪メールパンチングマシーン」でお怒りメールに返信する
5:「フラワーミドルフィンガーマシーン」にお花を生ける
6:ビニール袋が舞うのをぼーっと見続ける

実験結果

全体
34日間の開催期間中、SNS等で本イベントを知った方を中心に総計2,791名の方が来場しました。小学生から70代まで、男女比は男性が45%、女性が55%と幅広い層の方が体験されていました。
また、「忙しい時代に、あえて無駄について考える」という切り口に注目が集まり、本イベントはテレビや新聞など多くのメディアに取り上げてただきました。

アンケート結果
本イベントに参加いただいた方に「無駄」に対する意識調査を行うべくアンケートを実施しました。(アンケートフォームによる任意回答、有効回答数 347件)

この展示で合計435時間の無駄時間が生まれた。

本イベント参加者一人あたりの平均滞在時間は9分21秒でした。会期中に訪れた総数2,791名だったので、単純計算で約435時間の無駄な時間が生まれたと言えるでしょう。

「最も無駄だと思ったお仕事(作品)は?」と言う問いでは、『イヤホンケーブルを絡ませるマシーン』が169票(48.7%)と2位の『ビニール袋が舞うのをぼーっと見続ける』 71票(20.5%)の倍以上得票しました。上位2作品は今回の展示のために巨大化させた作品となっており、大きく動きのあるもののほうが無駄を感じるのではないかという示唆が得られました。

参加者の声

約6割が無駄な時間を取れていない

日常生活で無駄な時間を取れているかという問いに対して、無駄な時間を取れている方が42%、取れていない方が58%という結果でした。

日常で無駄な時間を取れている方々の『好きな無駄な時間』として、「風呂から上がって、ドライヤーを渋っている時」「家で映画を観ながらうとうとして、結局観れない時間」など『何もできずにただときが過ぎていく時間が好き』という答えが多くありました。これらの回答から、生活をする上でどうしても発生してしまう無駄な時間を認識し、許容できているかで「無駄な時間」への感じ方の違いが生まれるのかもしれません。

VOICE / 好きな無駄な時間

待つ時間

・急行通過待ちの時間
・待合室の時間
・飲食店のオーダーしてから来るまでの時間
・シャワーの水が暖かくなるまでの時間

眺める時間

・周囲にいる鳩を眺める時間
・冷凍ごはんが解凍される様子をずーっと見ている時間
・食器洗い機を見ている時間
・配線を見てる時

ぼーっとする時間

・家で映画を観ながらうとうとして、結局観れない時間
・眠気に抗い布団の中で妄想する時間
・風呂から上がって、ドライヤーを渋っている時

その他の時間

・商品のシールをカリカリ取る時間
・髭を抜く時間
・折り畳んだタオルの角を合わせる時間
・推し(アイドル)の動画を身漁る時間

無駄な時間=瞑想

『無駄な時間』が持つ意味や価値の問いでは、「ゆとりが生まれる、自分を整える」という回答が最も多く、瞑想と同じような精神安定の効果が得られるのではないかとの声もありました。無駄な時間にも意識を向けて取り組むことで気持ちが豊かになるのではないでしょうか。

VOICE / 無駄な時間の意味や価値

癒やしの時間

・気力、体力の回復。あれ、これでは「無駄な時間」ではない。
・ 瞑想と同じような効果(精神安定や心のゆとりなど)が得られるのではないかと思います
・効率ばかり求めた自分への癒やし

余裕を感じられる

・考えなければならないことややらなければならないことで埋まっている脳みそに隙間(余裕)を持たせてくれること。
・無駄なことをするにはそれなりの余裕が必要だから、自分の心身の健康状態を図る目印になる。

考えの整理、アイデアが生まれる

・無駄を感じる余裕があることは贅沢なことだから、幸せだと思える
・頭の洗浄や新しい発見。遠回りしたらいいお店見つけた、みたいな、感覚。

人生を楽しむエッセンス

・それは確実にゆとりやあそびとなり人々の生活には欠かせないものである。
・人生の潤い…?ないよりあったほうがいいものと近頃考えるようになった。
・保険
・無駄という余白こそ人生を豊かにするもの

無駄を無駄として受け入れることが楽しみにつながる

「今回のお仕事体験が今後の生活にどんな影響を与えそうか」という問いに対して、「嫌なことが起きても面白がれるかもしれない」と無駄な時間を楽しもうと前向きになった声や、「無駄な時間をもっと取り入れていき」と積極的に無駄を探し、生み出したいという声がありました。

VOICE / 今回のお仕事体験が今後の生活にどんな影響を与えそうか

無駄を楽しみたい、面白がりたい

・無駄なことやっちゃった!やらかした!ではなく、無駄を体験した!って気持ちになれる
・効率を求めて生活してきましたが、無駄は、ときに笑いであったり、ときに爽快感であったり、なにかしらを与えてくれることがわかりました。今後の生活、「あー、これ無駄だったなあ」とマイナスな気分で終わらすのはちょっともったいないと思いました。

無駄を探したい、自ら生み出したい

・無駄な時間をもっと取り入れていき人生を楽しんでいきたい
・無駄を無視して生きていけない
・他の無駄を探してみたい

その他の声

・仕事やめたい気持ちになった
・在宅ワークにてムカつく上司にteams越しで中指をたてたいと思った
・風に舞うビニール袋のように生きたいと思います
・無駄タイムという概念は新しかったです。 無駄にした時間をカウントすることで、なにかに気づいてしまいそうでこの先怖いです。

コラボレータの声

たくさんの人が無駄な時間を過ごしてくれて、とても嬉しいです。無駄を価値と感じることで、あたらしい発見ができると信じています。ぜひこれからも無駄な時間を率先して作ってみてください。私もこれからも無駄なものを作り続けます

株式会社無駄 代表 藤原麻里菜

まとめ

今回の実験では、無駄な時間を体験し、その時間をタイムカードで可視化したことで、様々な気付きや疑問を引き出すことができました。参加者の声をみると、日常に追われている現代人が、ゆとりや余白を取り入れたいと考えている様子が見えてきました。「無駄なことをするにはそれなりの余裕が必要」という参加者の声があったとおり、 自身の余白の少なさに気づいた方もいたようです。一方、「無駄な時間」として「何もしない、ぼーっとする」というようなシーンを思い浮かべる参加者が多い中で、「待ち時間、移動時間」など日常の隙間時間のことを連想する方もいらっしゃいました。日常に生まれる無駄な時間を、どのように見つけ、いかに楽しむことができるのか、時間的な余裕よりも精神的な余裕が重要であるのではないかと考えられます。

無駄な時間を生み出す、という新しい概念に挑戦できた本実験は、わたしたちにとっても発見や気づきの多いものとなりました。

無駄なお仕事を体験した皆さんから「日常の無駄を楽しみたい」といった前向きな声が多数集まりました。たった10分の無駄な時間が、人生を前向きに生きるきっかけになったのかもしれません。

メディア掲載実績

●テレビ
TBS『ひるおび』(2022/08/12)
TBS『THE TIME,』(2022/08/09)
NHK『ニュースLIVE! ゆう5時』(2022/08/23)
フジテレビ『Live News イット!』(2022/09/02)

●ラジオ
NHK『マイあさ!』(2022/08/27)

●新聞
日経MJ『「意味なき無駄」あえて体験』(2022/09/07)

●Webメディア
渋谷経済新聞『渋谷で「無駄づくり」クリエーター藤原麻里菜さん企画 「札束ビンタ」作品など
よろず〜ニュース『札束でビンタ、イヤホンケーブルを絡ませるマシーン「無駄づくり」藤原麻里菜の催しで無駄社員に

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  • 施設名:マイラボ渋谷
〒150-0042
東京都渋⾕区宇⽥川町21-9
渋⾕平和クワトロビル mineo渋谷1F
  • 各線渋⾕駅より徒歩2分
  • 営業時間/10:00〜20:00(不定休)
    ※開催イベントにより変動あり
  • 料金/⼊場無料

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